【シチリア島】パレルモ歴史地区の観光スポット5選+α

イタリア
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こんにちは。

パレルモの主な観光スポットは、旧市街を中心にコンパクトにまとまっているので、滞在日数が少ない人でも効率よく観光を楽しめます。

シチリア島には、ビザンチン様式、ノルマン様式、バロック様式のほか、スペインでも見られるイスラム文化の影響が見られる建築が多く残っています。今は地中海沿岸の国々は細かく分かれていますが、古代から続く地中海沿岸の支配の歴史を振り返れば納得。

そんな歴史の一端が垣間見られるパレルモの観光スポット5つをご紹介します。

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パレルモ大聖堂

まずは、パレルモ随一の大きさを誇るパレルモ大聖堂。この場所には古くはビザンチン様式のバシリカ聖堂があり、9世紀にアラブ人に征服された際にモスクに改築されていたとか。その後、1185年にパレルモ大聖堂が建設され、14〜15世紀に増築、18〜19世紀にかけて現在の姿になったそう。

2015年に「パレルモのアラブ・ノルマン様式建造物群およびチェファル大聖堂」の一部としてユネスコの世界遺産に登録されました。

大聖堂の南側には、広い庭が広がっており、開放感があります。

南側の入口。

入口の上には、聖母マリアを描いた13世紀のモザイク画が残っています。

重厚な外観とは対照的に内部は白を基調としたシンプルな内装。内部は無料で見学できます。

18世紀に彫刻家フィリッポとガエターノ・ペニーノにより制作された洗礼盤。

こちらの床の大理石に斜めに走る青銅製のラインは何かわかりますか。実は、子午儀(太陽観測装置)で、南北に正確に引かれているんだとか。

正午なると、ドーム天井のある小さな穴(写真の⭕️)から太陽の光が差し、この線上を通過。線上に描かれた黄道十二星座の図柄は年間の様々な日付を示してるそう。面白いですね。

大聖堂の西側には、パレルモの守護神・聖ロザリアの巨大なフロート像があります。毎年7月14日には聖ロザリア祭が開かれるそうな。ロザリア像の左の建物は大司教宮殿で、現在は博物館になっています。大聖堂と宮殿の鐘楼を結ぶゴシック様式のアーチが素敵でした。

東側のファサードは細かな模様が施されており、優美さと風格を兼ね備えています。

パレルモ大聖堂のルーフトップから市街地を一望

パレルモ大聖堂は、屋上に上ることができます。

チケットオフィスは大聖堂の南入口から入って左側。ルーフトップと王家の墓(教会内)の見学チケット7€。

ルーフトップのアクセスは、聖堂内の側廊のモニュメント脇の通路(え?ここ?というような隠し通路)を進むと階段があります。

階段を上がっていくと、この通り。観光客の行列。鐘楼の階段からアクセスするのですが、階段が狭すぎて、途中ですれ違うことができないため、上りと下りの人の動きを見ながら係員が誘導していました。

屋上に登ると、鐘楼を間近で見られます。

パレルモの北側の景色。ルーフトップ自体の高さはそれほどありませんが、周辺に高い建物がなく、遠くまで見晴らせます。

屋根の上に通路から東側のドームまでアクセスでき、地中海を望めます。

シチリア島って来るまで知りませんでしたが、結構山がちな地形なんですね。パレルモの周辺も海側以外は山に囲まれていて、風光明媚な景色が広がっています。

パレルモを訪れたら、ぜひ大聖堂のルーフトップも上ってみてください。

行列必至ですが、素敵な景色が待っています。

ノルマン王宮とパラティーナ礼拝堂

お次は、ノルマン王宮とパラティーナ礼拝堂。かつてのシチリア王の宮殿で、パレルモきっての観光名所。特にビザンチン様式のモザイクで彩られたパラティーナ礼拝堂が有名。こちらも世界遺産に登録されています。

赤茶色の重厚な建物。現在はシチリア州議会の議事堂として利用されているそうです。

アラブ風のアーチが美しい中庭。早速見どころのパラティーナ礼拝堂へ向かいます。パラティーナ礼拝堂は、この建物の2階。

パラティーナ礼拝堂の入口

入口の上にも豪華なモザイクが見られます。

アラビア模様のある扉。精緻な彫刻が素晴らしい。

内部は豪華なビザンチン様式のモザイクで埋め尽くされ圧巻。ただ私が訪れた時は、祭壇周辺は修復中で見られる場所が限られていました。

その他の壁面もこの通り。聖人や聖書の場面がびっしり描かれています。

天井の彫刻装飾も目をみはるものがあります。

パラティーナ礼拝堂を見学した後は、1階の企画展へ。私が訪れた時はピカソ展が行われていました。

天井の一部の装飾は昔の名残りなのか、それともこれから改修するのかは不明。

この部屋の地下には、1984年に発見された紀元前5〜3世紀頃の要塞跡(遺構)やイスラム時代の出土品(陶器など)も展示されていました。

王宮の庭には、ユニークな植物やがたくさんありました。

今回見学できたのは、パラティーナ礼拝堂とピカソ展のみ(12€)でした。

※王宮のもう一つの見どころの「ルッジェーロ王の間」(素晴らしいモザイク壁画があるそう)は今回見学できず・・・。私が訪れたのは金曜で本来は見学可能なはずが、残念ながら休館でした。

ちなみにパラティーナ礼拝堂は、時間が限られていて、モンレアーレ大聖堂まで行く時間がない場合はおすすめですが、モンレアーレまで行くなら、ここはスキップしてもよいかもというのが私の感想です。

モザイク壁画鑑賞という点では、規模や見学できる場所も圧倒的にモンレアーレが良かったのと、チケット代もまあまあいい値段するので、モンレアーレと比べるとどうしても見劣りしてしまいました。

サンタ・マリア・デッラミラリオ教会(通称:マルトラーナ教会)

続いてはベッリーニ広場に面して建つサンタ・マリア・デッラミラジオ教会(Chiesa di Santa Maria dell’Ammiraglio)、通称マルトラーナ教会。

こちらもモザイク画が有名な教会で、世界遺産の登録物件の一つ。モザイク壁画鑑賞はモンレアーレで十分と先述しましたが、こちらの教会には有名なモザイク画があり、さらにビザンチン様式とバロック様式がミックスされているゴテゴテ感が面白いので、おすすめ。

写真左がマルトラーナ教会です。建物の左側がアラブ・ノルマン様式で右側がバロック様式のファサード。こうしてみると後から増築された感じがよくわかります。

マルトラーナ教会の右側に建つ赤いドームが3つ並んでいる建物は、後述するサン・カタルド教会です。

この教会は、1140年頃に初代シチリア国王ルッジェーロ2世の仕えたギリシャ人提督(Ammiraglio)ジョルジョ・ダンティオキア(アンティオキアのジョルジョ)によりプライベートな礼拝堂として建設されたことから、サンタ・マリア・デッラミラジオ教会(提督の聖マリア教会の意)と名付けられました。東方典礼カトリック教会として建設。

その後、隣接する場所にベネディクト会派の女子修道院が建てられ、15世紀にその修道院がマルトラーナ教会に吸収されて以来、マルトラーナ教会の通称で呼ばれているんだとか。

教会の入口はこちら。入口入ってすぐのカウンターで入場料(2€)を支払います。小さな教会ですが、内部は観光客で混み合っていました。

シンプルな外観からは想像がつかないほど、内部はきらびやかな装飾で埋め尽くされています。ちょっと感動レベル。

祭壇はゴテゴテのバロック装飾。

祭壇中央には17世紀後半の貴重なラピスラズリの聖櫃、その上に昇天の絵画が飾られています。

特筆すべきは、内部の一部の天井や壁を覆うビザンチン様式のモザイク画。聖域は正十字の構造が保たれています。

17世紀後半に追加された身廊の天井はバロック様式の絵画で埋め尽くされていて、前方のビザンチン様式のモザイクとの対比が面白い。

入口近くにも有名なモザイク画が2つあります。一つは、「イスエより戴冠を受けるルッジェーロ2世」の様子が描かれたもの。

そしてもう一つが、入口入ってすぐのところに飾られているこちら。

聖母マリアの足元にひれ伏すジョルジョ・ダンティオキアが描かれた奉献モザイク。あまり見ないタイプの構図で印象的。ちなみにジョルジョはこの教会に埋葬されているそうです。

サン・カタルド教会

マルトナーラ教会の隣にある赤い3つのドームが印象的なのがサン・カタルド教会(Chiesa di San Cataldo)。

こちらも世界遺産の一つ。入場料は2.50€。

サン・カタルド教会は、シチリア2代目国王グリエルモ1世時代の提督バーリのマイオーネの所有する家のプライベートチャペルとして1100年代後半に建設が始まったそうですが、建設途中にマイオーネが亡くなり、彼の資産はマルシコの伯爵シルヴェストロに売却。シルヴェストロは娘マチルダをこの教会に埋葬し、内部の墓石の碑文(ラテン語)が今も残っています。

1182年には、グリエルモ2世がモンレアーレのベネディクト修道院にこの教会を寄贈し、1787年まではベネディクト修道院に帰属。かつては病人の看護施設として使用されていたこともあったそうです。その後、シチリア王国の郵便局オフィスとして使用され、劣悪な環境下で通信が行われていたこともあったとか。

内部はシチリア島で見たどの教会よりも簡素。ただ構造はしっかり残っており、建築美は鑑賞できます。

赤いドームの内側も見ることができます。

床にはオリジナルのモザイク装飾が残っていました。モンレアーレ大聖堂の床と似た装飾。

主祭壇もオリジナルのままだそうですが、かなりシンプル。剥き出しの壁に立派な大理石の柱が印象でした。

クアットロ・カンティ

パレルモを訪れたら、誰もが一度は立ち寄るであろうクアットロ・カンティ(ヴェリーナ広場)。

ノルマン王宮から伸びるヴィットリオ・エマヌエレ通りと観光客で賑わうマクエダ通りが交わる交差点に位置しています。

交差点を境に4つのカンティ(旧市街地区)が隣接していることからその名で呼ばれています。

17世紀前半に設計されたクアットロ・カンティは8角形で、4辺が通り、残りの4辺がバロック様式のファサード。

各建物は4階建てで、ファサードの中央には3体の彫像が縦に並んでいます。1階から2階部分には四季を象徴する4基の噴水が配置(南西から時計回りに春夏秋冬)、3階部分にはシチリア歴代のスペイン王4人の彫像があり、屋根部分には各王家の紋章、4階部分にはパレルモの守護聖人4人の像があります。

こちらは秋の噴水。実りの秋?季節感はいまいちわかりませんが、それぞれの建物で異なる像が配置されています。

ちなみに夜になるとプロジェクションマッピングで4つのファサードがカラフルに彩られます。

もしかしたらそれぞれ季節を象徴しているのかも?と今さら気づきました。とにかく、夜はすごい人出で身動きが取れず、その人の多さにびっくり。

ここから伸びるマクエダ通りもレストランやショップが軒を連ねていることもあり、かなり賑わっていました。

クアットロ・カンティのすぐ近くの広場にはプレトリアの噴水があります。16世紀に建造されたルネサンス様式の噴水で、神話の登場人物の彫刻が配置されています。生々しい裸体像が並ぶことから、当時の市民には受け入れられず、恥の広場と呼ばれていたとか。

歴史ある街並みが魅力!パレルモ散策

上記では観光スポットを紹介してきましたが、パレルモは街並み自体が素敵なので、散策が楽しい。

私が訪れた時期はクリスマスシーズンということもあり、クリスマスデコレーションがあちこちに見られました。

一方で、メインストリートから外れると人々の暮らしぶりが垣間見られる素朴な風景。

躍動的な馬の彫刻が目を惹く劇場があったり。

ヴィットリオ・エマヌエレ通りの東端(海側)にあるフェリーチェ門。

この他にも、かつてのシチリアの繁栄が偲ばれる荘厳な建造物があちこちに残っていて、歴史が感じられます。

かと思えば、路地裏にはシチリア特産のレモンやモザイク模様がプリントされた布製品の市場があったり。ここは少しアラブっぽい雰囲気が感じられました。

ノー・マフィア・メモリアル(パレルモのマフィアの歴史博物館)の建物の窓枠横に描かれた壁画が遊び心があって、思わず立ち止まって眺めて見たり。色々発見がありました。

次回はパレルモの食べ物と市場を紹介します。

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