こんにちは。
シチリア北部のリゾートの町チェファルで1泊した後は、シチリア西部とお別れして、南東部エリアを巡ります。まずはシチリアきっての観光都市シラクーサ。
チェファルからシラクーサへ
チェファルからシラクーサは、電車でメッシーナ経由で行くか、一旦パレルモに戻って、シラクーサ行きのバスで行くかになります。車なら2.5〜3時間くらいで行ける距離ですが、公共交通だと乗り継ぎ含め4.5〜6時間ほど。電車のほうが時間がかかるので、今回はパレルモに電車で戻り、パレルモからシラクーサ直行バスで行くことにしました。
チェファル駅9:50頃発の電車に乗車。パレルモ14:00発のバスに乗る予定でパレルモでランチ休憩しようと思ったら、10:50頃時間通りに電車が到着したので、11:00発のバスに間に合うかもと思い、一か八かで行ってみた。
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急いでいる時に限って、前の人がなんだか話が長い・・・。
やっぱり間に合わないかなーと諦めかけた時、ようやく私の番になり、「もう出るから急いで!」と言われるがまま、バス乗り場に行き、出発ギリギリで乗ることができました!

パレルモから少し郊外に出て、しばらく走ると雄大な景観が広がります。雪山(エトナ山?)も見えます。

なだらかな丘陵地がひろがり、崖の上の築かれた集落もありました。
トイレ休憩で一度止まり、シラクーサには14時半頃に到着。
シラクーサの民泊ホテル
シラクーサに着いて、まずは宿泊先へ。シラクーサの観光のメインは歴史地区のオルティージャ島ですが、鉄道駅からも割と近い新市街の大通りコルソ・ジェロネ(Corso Gelone)から1本裏通りに位置するAlceo apartmentへ。

スタジオタイプのお部屋ですが、まあまあ広さはあり、スーツケースも無理なく広げられる広さ。

キングサイズベッドで快適。

このお部屋を選んだ理由は立地もありますが、広々としたテラスがあること。

テーブルと椅子があり、コーヒーを飲んだり本を読んだり、のんびり過ごせます。

冬は寒くて長居はできないけれど、天気のいい日の日中は割と気持ちよかったです。1泊50€程度(約1900バーツ)でした。
誰もが恋するオルティージャ島の見どころ

シラクーサの旧市街が広がるオルティージャ島。
ここは、訪れた誰もがきっとその美しさにメロメロになるはず。とにかく街並みがステキで路地散策が楽しいのです。
島といっても本島から50メートルほどしか離れておらず、橋を渡って簡単にアクセスできます。

ハーバーの先にある立派な建物は郵便局だそうです。
アポロ神殿
ウンベルティーノ橋を渡って、最初に見えてくるのが、ギリシャ人によって紀元前6世紀に建設されたアポロ神殿跡。

遺跡は、柵に囲まれた少し低い場所にあります。シチリア最古のドーリア式神殿の一つだそう。

この辺りはかろうじて柱と壁の遺構が残っています。
ローマ帝国時代には礼拝所、6世紀のビザンチン時代にはキリスト教の教会、9〜10世紀のアラブ時代にはモスク、11世紀のノルマン時代には再びキリスト教の教会に転用され、何世紀にも渡り形を変え利用されてきました。

近くで見ると結構大きい。遺跡からは当時の姿は想像がしにくいけれど、当時はかなり立派な建物だったことだけはわかります。
シラクーサ大聖堂と大聖堂広場

オルティージャ島のランドマークといえば、シラクーサ大聖堂(ドゥオモ)。7世紀に建設。クリーム色の優美なバロック様式のファサードは、17世紀に再建されたもの。

この場所は、もともと紀元前5世紀頃に建てられたアテネ神殿があったそうで、内部の壁にはアテネ神殿時代のドーリア式の柱が今も残っているそう。大聖堂内部の見学は有料。今回は見学しませんでしたが、内部も素晴らしいそうなので、興味のある方はぜひ。
大聖堂前では、ストリートミュージシャンがステキな音色を奏でていて、しばらく聴き入ってしまいました。
ヨーロッパの歴史的建造物+アコースティックギターの柔らかい音色にグッとくるのは私だけではないはず。
そして、大聖堂前広場には荘厳な建物が目白押し。

大聖堂横には、17世紀に建てられたバロック様式のシラクーサ市庁舎。

さらに市庁舎の向かいにはベネヴェンターノ・デル・ボスコ宮殿。1693年のシチリア大地震で元々あった宮殿が損壊し、18世紀にベネヴェンターノ男爵が購入し、再建。

広場の南側にはサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会。こちらもシチリア大地震の後、17世紀末〜18世紀にかけて再建されたそうで、バロック様式のファサードが目を引きます。
ディアナ(アルテミス)の噴水

アルキメデス広場の中央にあるディアナの噴水。中央にたつのが女神ディアナ(ギリシャ神話ではアルテミス)。アルテミスの足元には、執拗に求愛するオルフェオやトリトン、海馬など神話に登場するキャラクターが配置されています。

アルキメデス広場とアポロ神殿を結ぶオルティージャ島のメインストリートには、ヨーロッパのクリスマスらしい華やかな電飾のトンネル。通りの両脇には、カフェやショップが立ち並んでいました。
アレトゥーサの泉
大聖堂広場から細い路地を南下していくと、アレトゥーサの泉のある広場へと出ます。広場は展望スポットになっており、シラクーサの海岸線を一望できます。

こちらの泉は、特に変哲のない溜池のように見えますが、、、女神アルテミスに仕えていた妖精アレトゥーサが、この泉に姿を変えたというギリシャ神話の舞台だそう。
海のすぐ近くにあるにも関わらず、ここは湧水(真水)となっていて、古代から人々の水源として使用されていたんだとか。不思議ですね。
泉の中には、パピルスが自生していて、アヒルやカモの住処にもなっていました。

アレトゥーサの泉の南の海岸沿いの遊歩道にはカフェやレストランが軒を連ねていて、雰囲気も景色もとっても良い。
オルティージャ島の街角
オルティージャ島の路地は入り組んでいますが、真っ直ぐ歩いていくといずれどこかの海沿いに出るので、地図を見ずに散策するのもまた楽しい。


映画のセットのようなデコレーションがされた路地があったり。

賑やかなスポットから一歩路地裏に入ると人影はなく、静かです。

オルティージャ島にも猫がたくさん。この子はちゃんとお家があるようです。

街角にあるカフェ(レストラン)も絵になる。

日が暮れてくると、柔らかいオレンジのライトに照らされて中世の雰囲気が漂います。


1月1日は、お休みのお店も多く、空いていたレストランでランチ。ムール貝のスパゲッティー。想像以上に貝もりもり。シンプルで美味しかったです。

ジェラートも外せません。ピスタチオのジェラート、美味。

路地裏のお菓子屋さんのショーウィンドウ。伝統菓子かしら。見てるだけでも楽しい。
プロムナード散策

島の北側の海岸沿いには古い門のような構造物がありました。この辺りは、景色も開けていて海を眺めながら気持ちのよい散策が楽しめます。

対岸はシラクーサのサンタルチア地区。クリーム色の建物が並ぶ美しい街並み。

エメラルドグリーンの宝石のような色の透明度の高い海。

ずっと眺めていても飽きない。

冬なので流石に水は冷たく、泳ぐのは無理そうでしたが・・・

岩場のビーチには、水着で日光浴する地元民?が結構いました。泳いでいる強者もまあまあいて、びっくり。ただ、真冬とはいえ、この日は歩いていると汗ばむ陽気。気合いを入れれば泳げたかもとちょっと思ったり(たぶん無理)。
チェファルの海も素敵でしたが、シラクーサの海の透明度も相当なもの。シチリアでリタイア生活したいと思うほど印象的な海。地中海はやっぱりステキだ。
サンタ・ルチア教会(Chiesa di Santa Lucia Extra Moenia)
シラクーサの新市街サンタルチア地区にあるサンタ・ルチア教会。

シンプルな石造りの教会ですが、ここにはカラヴァッジョの「聖ルチアの殉職」の絵画がおさめられています。

教会の入口は、側廊側にあります。教会の隣の建物の壁には、「聖ルチアの殉職」の巨大な壁画が描かれていました。

なかなかの迫力がありました。
私が訪れた時は、何か特別行事が行われていたようで教会は閉まっており、開館まで少し待ちました。

しばらく周辺をぶらぶらして時間になって戻って来ると、無事に教会に入ることができました。
シンプルな内装の教会の祭壇に「聖ルチアの殉職」が飾られています。

聖ルチアは、シラクーサで殉教したとされ、この町の守護聖人となっています。ルチアは拷問を受け、両目をくり抜かれてしまった後、奇跡が起きて、目がなくても見ることができたと伝えられており、目や視覚障害者の守護聖人でもあります。

実は入った時は暗くて、よく見えなかったんですが、祭壇の向かって左側の壁付近にあるボックスに1ユーロコインを入れると、数分間ライトが付き、祭壇画をはっきり見ることができます。
他の観光客の方がコインを入れてくれたようで、私もちゃんと見ることができました。
ちなみに、2020年までは、先ほど紹介したオルティージャ島のドゥオモ広場にあるサンタ・ルチア・アッラ・バディア教会に飾られていたそう。
聖ルチアの墓地礼拝所
教会の向かいにある八角形の建物は聖ルチアが埋葬された地下墓地の上に建てられた礼拝所。

少し低い場所に建てられており、内部を見学するには階段を下りていきます。

こちらが入口です。

内部は装飾などほとんどない簡素なインテリア。祭壇前には、横たわった聖ルチアの大理石の彫像が祀られています。
涙の聖母教会(Basilica Santuario Madonna delle Lacrime)
歴史的建造物や遺跡と美しい海に囲まれたシラクーサですが、その中でも異色の景観を放っているのが、涙の聖母教会。

目の前には、柵に囲まれた考古学広場(遺跡)があります。

夕日に照らされて建物がピンク色に。円錐形の近代的な建物で、一見して教会とは思わないかも。

教会自体は比較的新しく、建設のきっかけとなったのが、1953年に民家にあった聖母マリア像が涙を流しはじめ、調査の結果、涙は人のもとの判明。そこからこの像を一目見たいと多くの人々が集まり、この教会を建てることになったそう。
建物自体は、1988年に建設が開始され、1994年に奉献されました。

近代的な内装で、図書館や博物館のホールにいるような気分。

こちらが祭壇。

壁沿いには、礼拝堂もいくつかありました。

ポップというか、なんというか、、、近代的。
今回、私は訪れることができませんでしたが、世界遺産にも登録されているシラクーサの一大観光スポット、ネアポリス考古学公園からもほど近くにあるので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
ちなみにサンタ・ルチア地区と涙の聖母教会周辺は、治安はあまり良くないかもしれません。下町の雰囲気で、1人で歩くのはなんとなく落ち着かなかったです。


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