こんにちは。
今回は、シラクーサから日帰りで訪れることができる町ノート(Noto)をご紹介します。
ノートは、「ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々」としてユネスコの世界遺産に登録されているシチリア東南部の8つの町の一つ。
シラクーサからノートへの行き方
シラクーサからノートは、公共交通機関が限られているシチリア島の中では比較的訪れやすい町だと思います。路線バス(interbus)が1日数本出ており、朝一のバスで行って、ノートを午後に出発するバスに乗れば日帰りで観光を楽しむことができます。
📝 interbusの時刻は公式サイトから調べることができます。
ノート行きは、シラクーサの鉄道駅近くのバス停から乗車できます。チケットは、バス停近くにチケットブース(小屋)で購入しましたが、乗車してからでもチケットは購入可。始発の鉄道駅前から乗るのが一番わかりやすいですが、ジェロネ通り沿いのバス停からも乗車可能なので宿泊先の近いところから乗るとよいかと思います。
9:40発のバスに乗って、ノートに着いたのは10:40頃で約1時間の道のり。料金は片道3.60€。

ノート行きのバス。復路は学生さんも多く、地元の人々の足となっているようでした。
ノートのバス停は、観光中心部から少し離れた広場前にあります。往路復路ともに、同じ場所に停車するのでわかりやすい。

広場は地元の人々の憩いの場。ここをまっすぐ行くと左側に観光エリアが広がっています。
ヴィットリオ・エマヌエーレ通りの見どころ

ノートの観光は、こちらのレアーレ門からはじまります。
ノートは、1693年のシチリア地震で壊滅的な被害を受け、現在見られる街並みは地震の後に後期バロッ様式に統一され、一から再建されました(地震で倒壊した旧ノートの町は放棄されたそう)。丘陵地を舞台装置(階段)として活用した町の配置で、「石の庭園」とも呼ばれているみたいです。

主な見どころは、レアーレ門の先に伸びるメインストリート「ヴィットリオ・エマヌエーレ通り」沿いの500〜600メートル以内に凝縮されています。
サン・フランチェスコ教会

まず最初に見えてくるのがサン・フランチェスコ教会(The Church of San Francesco d’Assisi all’Immacolata)。

階段を上がっていくと、入口前にはテラスがあり、通りを見晴らすことができます。
ノートのドゥオモ(サン・ニコラ大聖堂)とドゥチェツィオ宮殿

さらに150メートルほど通りを進むと、ノートの中心部に鎮座するドゥオモ(サン・ニコラ大聖堂)が見えてきます。

ドゥオモ広場の向かいには、列柱のポーチが優美なドゥチェツィオ宮殿。現在こちらは市庁舎として利用されていますが、一部が一般公開されているようです。
サン・ドメニコ教会

さらに数百メートル進むと、まるで宮殿のような曲線の美しいファサードを持つサン・ドメニコ教会。
18世紀のシチリア・バロックの建築家ロザリオ・ガリアルディの代表作の一つ。彼が手がけた教会は、この後訪れたラグーサやモディカでも見られ、今回のシチリア旅行の中でも、とっても印象に残りました。


教会内部の白を基調とした空間。純白なドーム天井の窓からは太陽の光が差し込み、明るい優しい雰囲気が漂っていました。
Camillo Benso Conte di Cavour通り
ヴィットリオ・エマヌエーレ通りと並行して北側を走るカミロ・ベンソ カブール伯爵通り。こちらはだいぶ落ち着いた雰囲気。

マリアンニーナ・コファの階段(Scalinata Mariannina Coffa)と呼ばれる撮影スポット。

カミロ・ベンソ・カブール伯爵通り(Via Camillo Benso Conte di Cavour)もバロック装飾の施された建物が並び、見ているだけでも楽しい。

こちらは、ニコラーチ通りから上がってきた突き当たりにあるモンテヴェルジーネ教会(Chiesa di Montevergine)。凹型のファサードが印象的。

ノートの西側。この辺りまで来ると観光客はおらず、ローカルな雰囲気。カミロ・ベンソ カブール伯爵通りからヴィットリオ・エマヌエーレ通りに向かう通り。遠くまで見晴らせ、ノートが丘陵地にあることがよくわかります。
サンタ・キアラ教会の屋上からノートの街並みを一望
ノートにはたくさんの教会があり、全てを見学するのは大変ですが、屋上を公開している教会もいくつかあるので、天気がよければぜひ上ってみることをおすすめします。
今回、私はサンタ・キアラ教会(Chiesa di Santa Chiara)に行ってみました。
ヴィットリオ・エマヌエーレ通りに面した入口は、19世紀に道を平坦にするために地面が掘り下げられた結果、高さが合わなく現在は閉鎖されており、建物向かって右側の路地横の入口から入ります。

入口入ってすぐのところに展示されているこちらは、なんだろう・・・どこかの装飾として使用されていたものでしょうか。かなりの大きさ。

入口ホールの木製天井の細やかな装飾と絵画も印象的。

教会内部は、楕円形のローマ教会様式を模して設計されています。
漆喰装飾や天使の彫刻など白を基調としたゴテゴテ過ぎないバランスがとれた内装が美しい。
ちなみに教会内部のメインフロア(上記の写真部分)の見学は無料ですが、屋上へ行くには別途料金がかかります(2.50€)。チケットは入口入ってすぐのところにあるカウンターで買えます。

祭壇横の通路からアクセスでき、途中2階部分の回廊には覗き窓がたくさん配置されており、それぞれの角度から教会内部を見ることができます。
教会を見学する際は、基本的に下からしか見ないので、上から教会内部を見るのは新鮮でした。

そして、拝廊の上部にあたる場所には、独特な曲線の鉄格子に覆われた空間がありました。修道女たちは、一目に触れることなくここからミサを見守っていたそうです。

さらに上階にも部屋があり、ギャラリーとなっていました。上の写真の右側の壁の下の方にある木枠は窓になっていて、ここからも教会内部が見えます。

ここからの眺めはこんな感じ。楕円状(目のような形)のからは、祭壇を見ることができます。なんとも不思議な設計で興味深かったです。
教会の説明文によると、この教会も建築家ロザリオ・ガリアルディが手がけたものだそう。

さらに階段を上がっていくと、屋上に着きました。ここからはドゥオモもしっかり見えます。

ドゥオモ広場とドゥチェツィオ宮殿。
サンドベージュの建物が立ち並ぶノートの街並みと青空のコントラスト、さらにその先に広がる山並みも美しく、しばらく見入ってしまいました。

レアーレ門方面とノート周辺の景観。

屋上は年季の入った鉄格子で覆われています。

鉄製の十字架の先に見える建物は、通りの向かいにあるサン・サルバトーレ教会。
期待以上の景色が楽しめ、さらに教会の裏側も見ることができ、大満足なひとときでした。
そして、こんな小さな町にもこんなにも立派な建物をたくさん建ててしまうくらい、かつてのシチリア王国(イタリア)は豊かだったんだなと改めて感じさせられました。
ノートでランチ
ひと通りノート散策した後は、ランチへ。
サン・ドメニコ教会の横にあるピッツェリアで、ノーマ(Norma)ピザをいただきました。

トマト、モッツァレラ、ナス、リコッタチーズがトッピングされたシチリアの伝統ピザ。やや塩味が強めでした。
年末の真冬にも関わらず、ポカポカ陽気で、日向のテラス席ではジャケット不要な暖かさ。
食後はお腹も満たされ、少し早いですが、この後シラクーサへ戻りました。


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