【シチリア島】パレルモ郊外の世界遺産、モンレアーレ大聖堂に行ってみた

イタリア
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こんにちは。

今回は、パレルモ郊外の山間部にあるモンレアーレ大聖堂をご紹介します。ここは、今回訪れたシチリアの観光スポットの中でもトップ5に入るくらい、個人的に満足度の高かった場所の一つ。

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パレルモからモンレアーレ大聖堂の行き方

パレルモからモンレアーレまでは、パレルモのノルマン王宮西側のインディペンデンザ広場前のバス停から389番バスに乗り、約20分ほどで到着します。

バス停(Indipendenza Palazzo Reale)近くのチケットブースには、パレルモ〜モンレアーレ間の時刻表とチケットの料金が貼り出されています。

片道1.40€。ここで往復チケット(2枚分)買っておくと便利です。

こちらがモンレアーレ行きの389番バス。チケットはバスの車内にある打刻機にチケットを入れると日時が印字され有効化されます。

バスは市街地を抜けるとぐんぐん山の斜面を上っていき、20分ほどで終点モンレアールに到着。上の写真の右の建物の手前あたりに停車します。帰りも同じ場所から乗車できます。

モンレアーレ大聖堂は、バス停から坂道を上がっていくと、徒歩5分くらいで到着します。

後ろを振り返るとパレルモの市街地と地中海が広がり、山側の雲の隙間から差す太陽の光が神々しい。坂道の途中にはベンチが配置されていて、のんびりと景色を眺めるのも悪くない。

世界遺産!モンレアーレ大聖堂

モンレアーレ大聖堂は、第3代シチリア国王グリエルモ2世の命により1172年に建設が開始されました。

こちらがモンレアーレ大聖堂のファサード。中央の扉はイタリア人彫刻家ボナンノ・ピサーノにより1186年に制作された中世最大級の青銅製の扉だそうで、旧約聖書と新約聖書の場面が描かれています。

チケットは、北側の外廊の角のカウンターで購入できます。大聖堂内、屋上、回廊にアクセスできるフルチケットが13€(2024年12月時点)。

私は9:00のオープンに合わせて行き、少し並びましたが数分で入ることができました。

モザイクが圧巻のモンレアーレ大聖堂内部

内部に一歩足を踏み入れると、その広さはもちろん、天井や壁一面にびっしりと描かれた黄金のモザイク画に圧倒されます。

聖堂内のモザイクは、総面積6400平方メートルにもおよび、彩色ガラスと金箔ガラスで創世記物語や福音書、黙示録など旧約聖書や新約聖書の場面のほか、たくさんの聖人が描かれています。

アーチの上はノアの方舟の場面でしょうか。

細部まで装飾が施された天井は、イスラム様式が感じられ、少しアジアっぽさもあり。

主祭壇の手前の聖歌隊席の上のパイプオルガンもインパクト大。

主祭壇上のドームにはキリスト、その下には聖人や聖母マリアと思われる人物像がたくさん描かれていてとにかく華やか。

聖域部分の天井は身廊の天井とは異なる装飾。

北側の翼廊の礼拝堂上には聖パウロが描かれています。

そして、北翼廊には創建当時の床面が唯一現存していて、他の部分とは異なる貴重なモザイクタイルを見ることができます。このエリアは有料でチケットのチェックがあります。

さらに奥の入口を入っていくと、様子がガラッと変わります。

こちらは、1690年にスペイン人のロアーノ大司教によって建設されたバロック様式の礼拝堂。

ロープで覆われている床には、わずかに絵画が残っていました。

白とブルーを基調とした祭壇。ゴテゴテ感満載のバロックアートを楽しめます。礼拝堂横には小さな部屋があり、聖具や祭服が展示されていました。

屋上からの絶景と隠し通路から見る光景

さて、たっぷり聖堂内を鑑賞した後は屋上に向かいます。

狭い階段を上がっていくと屋上にでます。眼下には中庭の回廊、その先には山並みが広がる美しい景観が広がっています。

屋根の上に設置された工事現場の足場のような通路を進むと再び聖堂内へ。

すると、次はダンジョン感溢れる狭い隠し通路。通路にはところどころに窪みがあり、覗いてみると、

なんと!聖域の真上にいました。上の写真の真ん中あたりに3つある窓部分が通路になっています。

そして、さっきまで上を見上げて鑑賞していた天井や壁のモザイクを間近でじっくり鑑賞することができます。

こちらは翼廊の真上。眼下には旅行者の姿も見えます。

狭い通路をさらに進んでいくと再び外へ。

カラフルなタイル装飾がところどころに残る階段を上がって行きます。

アプスのドーム部分の外部に通路が巡らされており、そこからの景色が絶景!パレルモ市街地とその先に広がる地中海まで見渡せます。坂道から見た景色も素晴らしかったけど、ここからの景色は別格。

今回のシチリア旅行で、「シチリアって美しい島だな」と最初に感じた場所です。

こうして見ると、モンレアーレにもたくさん建物があることがわかります。そして緑豊か。

景色を堪能した後は、再び聖堂内部へ。さっきと反対側の通路から翼廊のモザイクを鑑賞。

下からでは、見えにくかったモザイクもここからはじっくり見ることができ、興味深い。

しばらくモザイクを鑑賞した後、さらに通路を進むと、北側の屋上へ。大聖堂前の広場と山肌にそって建物が並ぶモンレアーレの街並み。背の高いヤシの木が南国っぽい。

階段途中にはギャラリーがあり、シチリア島っぽいカラフルな陶器や銀製品、古文書などが展示。

中世の雰囲気が残る回廊

1時間ほど大聖堂&屋上からの景色を堪能した後は、併設する回廊へ。回廊へは、一旦大聖堂から出て、西側のファサード近くにあるミュージアムショップからアクセスします。

早速中へ入ってみると、正方形の庭園の周りを細い対になった2本の柱に支えられたアーチに囲まれた回廊が張り巡らされています。

装飾ありとなしの柱が交互に配置されており、装飾もそれぞれ異なります。

柱頭も一つ一つ異なり、聖書の場面の彫刻装飾が施されていて、一つ一つよく見ると面白い。

聖書の物語は実はよく知らず、これはどういう場面(意味)なんでしょう。

タイの地獄寺とかでも似たような彫刻見たことある気がして既視感。ちょっとニヤリとしてしまいました。

南西の角にはイスラム様式の噴水がありました。グラナダ(スペイン)のアルハンブラ宮殿の雰囲気にどことなく似ていて、距離は離れていても文化圏は時代ごとの支配の歴史を知れば、見えてくるものなんだなと改めて感じました。

大聖堂とその先にある山並みの景観もフォトジェニックで美しい。

かつて、ここで生活していた修道僧も同じ景色を見ていたのかと思うと、なんだか中世にタイムスリップしたような不思議な気分になりました。

モンレアーレ散策

モンレアーレ大聖堂を堪能した後は、モンレアーレの町を少し散策してみました。

大聖堂の西側の路地へ入ると、石畳の趣のある景観が広がっていました。

古いお家に住むのはメンテナンスが大変そうだけど、素敵。

こちらはモンレアーレの目抜通り。両サイドにさまざまなショップが軒を連ねています。観光客向けというよりは地元の人向けで、人々の暮らしぶりが垣間見れます。

新鮮な野菜が並ぶ八百屋も見ていて楽しい。

魚屋さんもありました。メカジキの頭がドーンと置かれていて迫力あり。シチリアの家庭では、どのような調理法で食べるのか、少し気になりました。


モンレアーレ大聖堂を実際に見学してみたら値段(入場料13€)以上の価値があると感じました。見どころも多くて、いい意味で予想外。とっても満足度の高い場所でした。

パレルモ中心部から、往復の移動時間も入れて3時間程度あれば観光できるので、パレルモを訪れる際は是非とも足を伸ばしてみていただきたいイチ押しのスポットです。教会建築・アート、歴史、景観でビビッとくる人なら、たぶん後悔はしないハズ。

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