こんにちは。
前回に続き、南インド3泊5日のインド旅。
2日目:チェンナイ〜ポンディシェリー ポンディシェリー泊
3日目:ポンディシェリー〜マハーバリプラム マハーバリプラム泊
4日目:マハーバリプラム〜チェンナイ 深夜便(機中泊)
5日目:バンコク早朝着
今回は3〜4日目に訪れたマハーバリプラムです。マハーバリプラムは、チェンナイから南に約60kmに位置する海辺の街。6世紀以降、パッラヴァ朝の東西貿易の一大拠点として盛え、寺院が多く建設され、ヒンドゥー教の聖地の一つとされているんだとか。
今回、世界遺産の遺跡群を目的に訪れましたが、思いの外、ビーチ沿いの雰囲気が良くて、もし機会があれば、今度はのんびり過ごしにきても良いかもと思える街でした。
ポンディシェリーからマハーバリプラムへ移動
ポンディシェリーは、前日に着いた仮バスターミナルから出発です(メインバスターミナルは改修中で2024年10月現在はクローズ中)。バスターミナルに着く前に突然の雨に降られてしまい、雨の中バスを探すという苦行・・・。そこらへんのおじさんたちにマハーバリプラム行きのバスを聞いて、たどり着いたのが、エアコンなしのローカルバス(マハーバリプラム経由チェンナイ行き)でした。料金は110ルピー。

雨でびしょびしょに濡れてしまってたので、オンボロバスでむしろ良かったかも・・・。
先進国ではゼロエミッションとか必死に叫ばれているけれど、ここは全く別の世界線。排気ガスをバンバンはき出しながら進みます。

11:30頃ポンディシェリーのバスターミナルを出発し、途中乗客を乗せたり、降ろしたりしながら、マハーバリプラムのバス停に着いたのは14時過ぎ。
バス停は、中心部から1.5kmほど北の幹線道路沿い。チェンナイ行きのローカルバスもここから乗れるようでした。

ホテルまでは徒歩15分ほど。ちょうど一番暑い時間帯で汗びっしょり・・・。

レストランやショップが立ち並ぶツーリストエリア。安定のお牛様が闊歩しています。
今回泊まったホテルは「Oceanside Mahabalipuram」。シングルルームで1泊850バーツ。


シンプルなバジェットホテルで必要最低限の設備。周辺にはショップやレストランも点在し、ビーチも比較的近くて立地的にはよい。
世界遺産:マハーバリプラムの建造物群
さてさて、ゆっくりとしたいところだけど、世界遺産の3つのスポットを閉園する18時頃(日没)までに見て回りたいので、休憩もそこそこに早速観光へ。
マハーバリプラム海岸寺院(Mahabalipuram Shore Temple)
最初に訪れたのは海岸沿いにある、その名もマハーバリプラム海岸寺院(Mahabalipuram Shore Temple)。
寺院周辺は車が渋滞していてかなり賑わっていました。お店もたくさんあり、飲み物や軽食もここで買うことができます。

まずはチケットブースへ。

入場料は外国人600ルピー(2024年10月現在)。世界遺産の建造物群は共通の入場券で、最初に入るところでのみ購入すれば、その後は入口でチケットを見せれば入場可能。チケットが必要なのは、海岸寺院とファイブ・ラタ、クリシュナのバターボールの公園内(周辺に石窟寺院が多数点在しています)。

チケットを購入後、いざ海岸寺院へ。

参道が結構長く、寺院まではまあまあ歩きます。道は舗装されていて歩きやすい。ただ日中は日差しが強く、結構暑いので、サングラスや帽子など日除け対策と水は必須。

だいぶ寺院に近づいてきました。寺院周辺は、だだっ広いさら地で、修復(整備?)途中のようでした。

発掘された石像やレリーフの破片などもたくさん置かれていて、これから修復が行われるのかもしれません。

海岸寺院は、大小2つのピラミッド型の屋根を持つ祠堂が並んでいます。
7世紀末〜8世紀にかけて建設された石造寺院で、マハーバリプラムの寺院の中では比較的新しい部類の建造物だそう。海岸にあるため、潮風や波(海水)などの浸食作用で風化が危ぶまれています。ビーチとの間には防風林やフェンスで対策されているようでしたが、保全が大変そう。

祠堂はシバ神とヴィシュヌ神が祀られています。風化が進んでいるのか、全体的にレリーフの角が取れて丸くなっている印象。

寺院の周りにはナンディ(シバ神の乗り物)の像が並び、寺院を守っています。

誰かが忘れたのか、置いていったのか、帽子を被ったナンディも(右から2体目のナンディ)。
ちなみにこの地は、大航海時代にマルコ・ポーロやヨーロッパの商人から「7つのパゴダ」と呼ばれていたそう。そのため、かつては7つの海岸寺院があり、残りの寺院は海底に沈んでしまったと考えられています。2004年に起きた津波で波が一気に引いた時に、沖合いの海底から寺院の一部が露出されたんだとか。
海底から寺院が現れるとか・・・ちょっとしたファンタジー。住民の人たちはさぞびっくりしたでしょうね。
ファイブ・ラタ(Five Rathas)
次に訪れたのはファイブ・ラタ。海岸寺院からは徒歩20分ほど。
こちらは、その名の通り5つのラタがある石彫寺院。ラタとは戦車の意味で、戦車に似た建造物が5つあることからファイブ・ラタと呼ばれています。

5つのラタは、インドの叙事詩マハーバーラタの登場人物にちなみ、大きい順に①ダルマラージャ・ラタ、②ビーマ・ラタ、③アルジュナ・ラタ、④ナクラ・サハデーヴァ・ラタ、⑤ドラウパディー・ラタと名付けられています。

これらは全て大きな花崗岩を削って造られています。(インド西部の)エローラ石窟寺院を見た時にもかなりの衝撃だったけど、重機などがない時代に全て手作業で大きな岩をコツコツと彫っていくって・・・考えただけも気が遠くなる。

シバ神の乗り物のナンディ(牝牛)像も。

ファイブ・ラタは、敷地自体がそれほど広くないせいか、とにかく観光客が多い!

アルジュナ・ラタの背面にも彫刻がびっしり。


柱部分はライオンのような動物の彫刻が施されていますが、回廊内は未完成のままで装飾はなし。

こちらは、ファイブ・ラタ最大で凝った彫刻が見られるダルマラージャ・ラタ。木造の寺院を模して造られたそう。四隅にはシヴァ神の彫刻が施されています。
ファイブ・ラタは、コンパクトにまとまっているので、サクッと見ることができました。
石窟寺院群
さて、続いては、町の中心部にある丘(巨大な岩の丘)に点在する石窟寺院群です。
ファイブ・ラタから5〜10分ほどで柵に囲まれた緑の生い茂る公園のような場所が見えてきます。入口でチケットチェックがありました。
なだらかな遊歩道を歩いていくと、岩の上に彫刻が施された建物が見えてきます。


岩の上にあるのは、オラカネシュワラ寺院(Olakkannesvara Temple)。

小高い丘の上にあるため、テラスからは町やその先に広がる広大な海が一望できます。同じ敷地内には灯台も。

岩の上からの景色も上々。この時はまだ日が高かったですが、サンセットを楽しむのもよさそう。

オラカネシュワラ寺院の下には、このあたりの寺院群で最も重要とされるマヒシャーマルディニー・マンダパ石窟寺院があります。

内部の壁には、シヴァの妃ドゥルガー女神が、マヒシャスラと戦う場面を描いた見事な彫刻が残されています。

反対側の壁には、シャシャナーガの上で眠るヴィシュヌ神が描かれています。この姿は、宇宙の始まりの後、ブラフマーが宇宙のすべての物体を創造する間、原初の海で休んでいた時の深い眠りを表しているんだそう。

こちらの石窟内部は未完のまま。

石窟寺院とは趣が異なる長方形の建物があったり。



ヴァハラ窟(Varaha Cave)は、規模は小さいながら、内部の彫刻は見応えがあります。

園内には寺院が点在しているほか、のんびりピクニックが楽しめそうな場所が点在していました。

石窟寺院群を抜けると広場になっていて、斜面には、「クリシュナのバターボール」と呼ばれる巨大な岩。クリシュナ神の大好物のバターボールに似ているため、その名で呼ばれるようになったんだとか。

この岩を反対側から見ると、バターボールをナイフで切ったような形状になっています。

なんでこんな絶妙な位置で止まっているのか不思議。岩の下で寛いでいる人たちがたくさんいるけれど、万が一この岩が突然転がりはじめたらと想像すると、ちょっと怖い。

クリシュナのバターボールの近く(北側)にも不思議な形状の巨大な岩。

この広場には、大量のヤギ?のような動物が岩の周辺をぴょんぴょんと飛び回っていて、なんとも不思議な光景。奈良公園のシカみたいなものなのか。

こちらは、「アルジュナの苦行」と呼ばれる岩壁彫刻。高さ13メートル、幅27メートルの巨大な岩壁にアルジュナの苦行(インドの叙事詩マハーバーラタの一場面)が描かれています。

女神ガンガーがこの世に降りてきた時の物語の場面も描かれていることから、「ガンガーの降下」ともよばれているそう。ゾウの左の窪みの縦に描かれている彫刻がガンガーの降下です。

「アルジュナの苦行」の隣には、未完のクリシュナ・マンダパ窟。

内部には、クリシュナ神がゴーヴァルダナの丘を持ち上げて、インドラ神が降らせた雨による大洪水から人々を救う様子が描かれています。
世界遺産の3ヶ所を駆け足で巡りましたが、この最後の石窟寺院群のある公園が個人的にはかなり見応えがあり、緑も多く、さらに岩山の上から見晴らす景色もよく、お気に入り。ピクニックにも最適&サンセット時もおすすめのスポットです。
マハーバリプラムの街歩きとシーフード

前日に訪れたポンディシェリーも海辺の町でしたが、マハーバリプラムはよりヒッピーっぽい雰囲気のあるビーチタウン。

こじんまりとした町で、ビーチ周辺にはホテルやレストラン、土産物屋が並び、空気感がなんか好き。

インドの犬は道端で堂々と寝てるけれど、蹴られるとか轢かれるとか・・警戒心はないんだろうか・・・といつも思う。
話が脱線しましたが、マハーバリプラムは砂浜ビーチもあり、泳げます。

そして、お牛様もビーチを颯爽と走り抜けます!

ビーチの砂と同化する犬・・踏んじゃいそうになる(やっぱり気になるインド犬)。
海辺の町でシーフード(マハーバリプラム式?独特な接客)
マハーバリプラムでは、シーフード料理が楽しめます。

フィッシュカレー。写真ではわかりにくいけれど、ゴロっと大きな白身魚が入っていて美味。

レモン&ミントジュースと合わせて、370ルピー。400ルピー渡すと、

お釣りは(いる)?

(え?お釣りいるかどうか、聞くって斬新すぎるんだけど)チップとしてどーぞお受け取りください。
続いては、せっかくなので海風を感じられるビーチ沿いのレストランへ。

お店に入るなり、

君、魚食べたい?

メニュー確認するからちょっと考えさせて。

(大きな魚やエビが載ったバッドを持ってきて)、さあ、どれにする?

(メニューにある)パスタが食べたいな!

パスタはまだ準備できてない。イカはどうだ!ガーリックソースで!

(え・・・パスタって茹でるだけなのに・・?!もういいや・・)オーケー!じゃあイカで
客が食べたいものは無視で、売りたいものを売ろうとするその振り切った感じ、思わず笑ってしまう。

ということで、出てきたカラマリ・フリット(イカフライ)。小ぶりだけれど、新鮮で美味しい。カロリー爆弾のガーリックバターソース付き。

レモンジュースと合わせて、520ルピー。
支払いの時に、現金で払うと、

お釣りは(いる)?

(お前もか!)いいよ、チップで・・・
ツッコミどころ満載だけど、カラマリは美味しかったし、海風が心地よくのんびりとした時間を過ごせたので、良かったです。
話題に事欠かないインド
インドに限らずどこの国でも強引な客引きとか、観光客をカモにした人は多かれ少なかれ出くわしますが、インドは一般人もクセが強い人が多くて、毎日何かしらの珍事が発生しがち(Beco調べ)。
質問も距離感のつめ方もおかしいインド人
マハーバリプラムで街ブラしていると、前から来た車が私の横で止まり、ドライバーのおっちゃんが窓を開け、突然話しかけてきた。

〇〇レストランってどこにあるかわかる?

(いや、私どう見ても観光客にしか見えなくない?!聞く人間違えてるよ)ごめん、知らんわ

あんた、どっから来たん?

日本だよ

インスタのアカウント持ってる?教えて

ないよー!バイバイー(え?唐突に何言っちゃってんの?!5秒前に会ったばかりの人に聞くことか?なんか世界線が違いすぎて脳みそがバグる)
マイワールド・マイルールなUberドライバー
連日の暑さと疲れでマハーバリプラムからチェンナイまではバスで行く気力がなく、Uberをチェックすると、チェンナイまでは所要時間1時間強、1000ルピーほどだったので、Uberで行くことに。
Uberで配車すると、ドライバーはすぐ見つかったんだけど、そのドライバーがなかなかのクセ者だった。アプリ内のチャットで、“Call Mr.*”とテキストメッセージが届き、お前が電話してこいよ!と思いつつ、
*インド(だけではないけれど)で、チャットでメッセージやりとりの際に、日本語名だと男性・女性の判断ができず、Mr.と呼ばれることがままある

ハロー。今、〇〇で待っています(アプリ見て!わかるだろ?!)
とピックアップポイントを念のため伝えると、

ドロップ場所はどこだ?

(だからー・・・)アプリで指定した場所ですよ。チェンナイだよ。
電話が切れたので、テキストでも念の為送ると、また電話してきて、

君のモバイルナンバー教えろ

インドナンバー持ってないんだわ(持ってても教えねーよ!)

うーん・・・・チェンナイか。なら1800ルピーだな

は?!んな、アホな!キャンセルじゃー!(ぼけー!)

おー、キャンセルだ!あんたがキャンセルしとくれや!
という不毛なやりとりが発生。これが嫌でアプリ使ってるのに・・・配車アプリのコンセプトを全無視で交渉してくるインド人・・・テクノロジーを持ってしてもコントロールできないインド人・・・なんなん??遠いから、やっぱり面倒臭くなったんか?!(なら、ちゃんと内容見てから承認しろよ)!わが道行き過ぎインド人・・・恐るべし。
私の様子を見てたのか、ホテルのスタッフが、心配そうに声をかけてくれました(優しい人もいる)。

大丈夫?なんかあった?ヘルプ必要?
ちなみに次のドライバーは変なこと言い出さないし、いたってまともでホッとしました。
何も考えていないインド人
今回バンコクへ戻る便が深夜便だったので、チェンナイ空港のラウンジでシャワーを使おうと思って、シャワールームに行ってみると、清掃係の若い女性がカタコトな英語と身振り手振りで、シャワーは改修中で使えないと教えてくれたのはよかったんですが、

シャワーは使えないけど、着替えるだけならここの場所つかっていいよ
ということで、シャワーは諦めて、着替えだけすることに。トイレの奥の改修中のスペース(資材が置かれている場所)に通してくれたのはよいんだけど、私が着替えようとしてるのにずっと見てる・・・

あのー・・・あなたそこで私が着替える様子をずっと見るつもりなの?

☺️☺️☺️(通じてない・・・・・)

だめだこりゃ・・・・(諦めて服を着替え始めたら)

は!!私、出た方がよい?!?!?!

イエス!ぜひ(今すぐ出てって)!ありがとう!!
たった数日でしたが南インドは、人が穏やかで押しが強くなく、総じて良い印象。ですが、やっぱりインドだった。珍事が日常茶飯事。不思議な国、インクレディブル・インディア。
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