こんにちは。
マデイラ島は、モロッコから西約600kmの大西洋上に位置するポルトガル領の島。1年を通して温暖な気候から「常春の島」として知られ、ヨーロッパの人気リゾートの一つとして知られています。
島の観光といえば、断崖絶壁の海岸線や山岳エリア、島内に張り巡らされたレヴァダと呼ばれる灌漑用水路。これらに沿って多くのハイキングトレイルが整備されており、ハイキングのメッカとしても人気です。
見どころが島の各地に点在しているため、観光はレンタカーで回るのが一般的と言われています。
私自身はペーパードライバーなのでレンタカーを借りる予定はなく、レンタカーなしで一人旅でも楽しめるか少し不安がありました。
結論から言うと、レンタカーなしでも十分楽しめます。
実際の滞在ではレンタカーは借りず、路線バスや往復送迎付きのツアーを利用して5泊しました。
島の中心となる町フンシャルを拠点に、主に訪れたのは以下の通り。
・PR8「ヴェレダ・ダ・ポンタ・デ・サンロウレンソ(Vereda da Ponta de São Lourenço)」
・PR1「ヴェレダ・ドゥ・アレエイロ(Vereda do Areeiro)」
・PR3「ヴェレダ・ドゥ・ブーロ(Vereda do Burro)」
・Curral das Freiras(ナンズバレー:Nuns Valley)
・漁村の「カマラ・デ・ラボス(Camara de Lobos)」
※PRとは、Pequena Rota(=ショート・ルート)の略で、マデイラのハイキングコースはPR+ナンバーが付けられています。
この記事では、レンタカーなしで実際にどのように移動し、どんな場所を訪れたのか、まとめます。
マデイラ島をレンタカーなしで旅行したい方の参考になれば幸いです。
マデイラ島の交通手段:レンタカーなしでも観光できる?
結論から言うと、マデイラ島はレンタカーなしでも観光することは可能です。
ただし、島内の観光地は山間部や海岸沿いなど広範囲に点在しているため、移動手段をある程度考えておく必要があります。
実際に私が利用した移動手段は次の4つです。
- 空港バス
- 路線バス
- 往復送迎付きツアー
- 徒歩(ハイキング)
特にハイキングコースの多くは山の上や郊外にあるため、レンタカーなしの場合は送迎サービスを利用すると移動がかなり楽でした。
滞在拠点にしたフンシャルは、レストランやスーパー、路線バスも多く、レンタカーなしでも便利でした。マデイラが初めてで、レンタカーなしで島内観光を予定しているなら、利便性という面ではフンシャル一択な気がします。
マデイラ5泊6日モデルコース
ここでは、実際に私がレンタカーなしで回った5泊6日の旅程をご紹介します。私が訪れたのは今年1月初め。この時期マデイラは雨季で、天気予報は雨マーク続き・・・。特にマデイラはエリアによって天候が異なり、フンシャルが晴れていても山岳エリアは雨や濃霧といった具合に別世界。
そのため、訪れる場所も到着後にお天気と睨めっこしながら、一番天候に左右されそうな山岳エリアのハイキングを一番天気が良さそう(曇り)であろう5日目にして、その他の旅程を組みました。
Day1:マデイラ空港 → フンシャル
リスボンから早朝便で朝9:30頃にマデイラ空港に到着。


ちょうど雨上がりだったようで、大きな虹が見えました。こんなに大きな虹を見たのはいつぶりだろうか。到着早々、マデイラに歓迎されているようでテンションが上がりました。
空港からフンシャル市内までは空港バスが運行されており、レンタカーがなくても比較的簡単に移動できます。グループの場合はタクシー利用の方がお得でラクかも。
フンシャル市内にはバス停が複数あるので、ホテルの最寄りのバス停を事前に調べておくと安心です。
到着日はフンシャル周辺を軽く散策し、翌日からの観光に備えてゆっくり過ごしました。
Day2:フンシャルのレヴァダとナンズバレー観光
Day2 AM
午前は、フンシャルの山手エリアの散策。
マデイラ島は平地が少なくアップダウンの激しい島で、フンシャルも坂道の多い町。町歩きだけでも足腰が鍛えられます。フンシャルのレヴァダ(灌漑用水路)は気軽に楽しめる散策路として親しまれています。

入り組んだ小道や海を見晴らせるビュースポットなど景色を楽しみながらの散策は飽きません。

Day2 PM
午後は、山に囲まれた集落Curral das Freiras(Nuns Valley:ナンズバレー)の半日ツアーに参加。
ツアーでは最初にピコ・ドス・バルセロス展望台(Pico dos Barcelos viewpoint)を訪れました。


この日は天気も良く、午前中にフンシャル散策で見た場所よりさらに上で、眺めもとても良かったです。
その後、標高1096メートル地点にある「エイラ・ド・セラード展望台(Miradouro da Eira do Serrado)」へ。

ここからは、切り立った深い渓谷と谷底にある集落を一望できます。

残念ながら、私が訪れた時は雨と風で、視界もあまりよくなかったですが、時折り霧が晴れて見下ろす景色は壮大でした。
そして、最後に訪れたのがCurral das Freiras。

Curral das Freirasとは、ポルトガル語で「修道女の谷(ナンズバレー)」という意味で、16世紀頃に海賊がマデイラ島を攻撃した際に、サンタ・クララ修道院の修道女たちが、この地に逃げ、身を潜めたことからその名で呼ばれるようになったのだとか。
10分もあれば見て回れるほどのとっても小さな村。

ちなみにナンズバレーは、マデイラ唯一の栗の産地だそうで、栗を使った郷土料理が食べられます。写真は栗のチーズケーキ。甘さ控えめの上品な味わいで、期待以上に美味しかったです。
ナンズバレーとエイラ・ド・セラード展望台は、フンシャルから路線バス(81番)でも行くことはできますが、本数が多くないためバスを利用する場合は事前に時刻表を確認して行くことをおすすめします。
今回私が利用したツアーは、GetYourGuideで前日予約(850バーツ≒23€)。
ホテル送迎と各スポットへの移動のみで、現地では自由行動。ミニバンでの少人数制(私の時は6人くらい)で、効率的に回れて、利用価値は高いと感じました。
ちなみに今回のドライバー兼ガイドさんは、年配のおじさん。知識が豊富で、マデイラの歴史や生態系・気候などについていろいろ説明してくれただけでなく、おそらく待ち時間に調べたのか、ポルトガルと日本の共通の単語、日本の教育システムなど、ゲストの国についても理解を示し、会話を広げてくれるホスピタリティのある方でした。3時間ほどの短いツアーでしたがとっても印象に残っています。
Day3:PR8 ヴェレダ・ダ・ポンタ・デ・サンロウレンソ
3日目は、マデイラ島の人気ハイキングコース、PR8「ヴェレダ・ダ・ポンタ・デ・サンロウレンソ(Vereda da Ponta de São Lourenço)」へ行きました。
島の東端に位置する半島で、荒々しい断崖と海の景色が続く絶景コースとして知られています。

コースはわかりやすく、旅行客も多いので迷うことはありません。


PR8は入場料がかかります。事前にオンライン支払いしたレシートのQRコードを入口にいる係員に見せて入場します。

海に囲まれた絶景が続き、マデイラ島のダイナミックな自然を肌で感じられ、想像以上に楽しいハイキングでした。
トレイルは全体的に整備されているので歩きやすいですが、最後の山頂アタックのトレイルの手すりは、針金が飛び出している箇所もあるので注意が必要です。私はうっかり掴まった時に、少し擦り傷ができてしまいました。

ゴール地点の頂上は、この世の果て感。のんびり景色を楽しんでいる人もいましたが、実際は台風並みの強風で、私は数分で退散。スマホやカメラを落とさないようくれぐれもご注意を。
入場料:4.50€。
※入場人数の制限があるようなので、オンライン予約をしておくのが安心。現金NG。
行き方:PR8はレンタカー以外だと、フンシャルからバス(約1時間15分)か、送迎サービス利用が一般的です。バスが最もリーズナブル(片道:2.60€程度 *未確認なので値上がりしている可能性あり)。
私は今回往復送迎サービス(1109バーツ≒30€)を利用しました。フンシャルからの所要時間は片道40分ほどで、往復ともに同じドライバーが送迎してくれます。簡単なルート説明あり。現地では4時間の自由時間。復路は、歩いた後で疲れているので、ホテルまで送迎してくれるのはありがたかったです。
所要時間:トレイルは往復約6km、所要時間は2.5〜3時間ほど。私は途中のスナック休憩含み3時間強でした。
持ち物:冬場は天候が変わりやすいので、レインコートやレインジャケット。晴れていたらサングラス、帽子、日焼け止め。水・スナック類。日陰がないので、特に夏場は水多め、帽子など日除け対策必須。
Day4:カマラ・デ・ロボス
4日目はフンシャル近郊の漁村カマラ・デ・ロボス(Camara de Lobos)へ。
路線バス01番(2€、現金のみ)の終点まで行き、そこから徒歩20分ほど。

Google mapのルート検索では出てきませんが、カマラ・デ・ラボスにもバス停があり、フンシャル行きのバスがありそうでした。

海岸線に沿って遊歩道があり、気持ちのよい散策が楽しめます。

小さな港町ですが、カラフルな漁船やオレンジ屋根の家屋が並ぶ景色がとても印象的。
港周辺には、レストランやカフェもたくさんあり、のんびり散歩するのにぴったりの場所でした。
イギリスの故チャーチル元首相がマデイラ島を気に入り、カマラ・デ・ロボスの風景を描いたそうで、港を見下ろす高台にはチャーチルの名を冠したレストランとビューポイントがあります。
帰りは、海岸沿いの遊歩道(5〜6km)を歩いて、フンシャルまで戻りました。

カマラ・デ・ロボスとフンシャルの間には、ファルモサビーチがあります。ビーチ沿いの遊歩道は地元の人のジョギングや散歩コースにもなっているようで、歩いたりジョギングしたりする人も多く見られました。
Day5:ピコ・ド・アリエイロ〜ドンキーパスハイキング
5日目は、今回のマデイラ旅行のハイライトの「ピコ・ド・アレエイロ(Pico do Areeiro)」のハイキングへ。
本来はここからマデイラの最高峰(1862m)「ピコ・ルイボ(Pico Ruivo)」へ続く縦走ルート(PR1)が有名ですが、私が訪問した際(2026年1月時点)はPR1のトレイルの一部が崖崩れの影響で閉鎖されていました。
そのため今回は、PR1の一部「天国への階段トレイル(Stairway to Heaven Trail)」と、代替としてPR3「ヴェレダ・ドゥ・ブーロ(Vereda do Burro:ロバの道の意)」ルートに変更になりました。
まず向かったのは標高約1800mに位置する「ピコ・ド・アレエイロ(Pico do Areeiro)」。
この日、フンシャルの天気は晴れでしたが、山間部に入ると雨が降り始めました。ドライバーさんによると昨日よりはマシだとか・・・

PR1の途中まではハイキングが可能とのことでしたが、到着時の天候は荒れており、雨、風、濃霧、寒さという4重苦。

天気が良ければ切り立った崖が連なる絶景が見られるようですが、この日はそもそも霧と雨で一寸先すらよく見えない状態・・・。修行に来た気分で、とにかく足を滑らせないように集中。

ここから先は立ち入り禁止で、来た道を引き返します。往復で40〜50分ほどかかった気がします。
トレイルは、整備されているものの、雨の中、時折吹く突風でよろめき、寒さも相まってなかなかハードコアなトレイルでした。

再びピコ・ド・アレエイロの出発地点に戻り、PR3へ。PR3はほぼ下りのルート。

途中雨が止んで雲の切れ間から晴れ間が見え、なんとも美しい山の景色。

晴れも束の間、すぐに霧に包まれ、視界が悪くなります。

トレイルは雨で水たまりに覆われていたり、水が氾濫しているところなど、滑りやすい場所もいくつかあり、ヒヤヒヤ。実際に滑りました。
天気が良ければ、途中でどこか景色のよいところで休憩しようと思いましたが、雨が降っていたこともあり、地面が濡れていて座ることができず、立ち食い状態で休憩しました。

ゴール地点近くには、ロバ小屋がありました。
待ち合わせ時間より少し早めに着いたので、ゴール地点にある小さなカフェで迎えの車を待ちながら休憩。

このコーヒーがバニラフレイバーで美味しかったです。

山はあんなに荒れていたのに、フンシャル近郊までおりてくると、この通りの晴天。マデイラ島の天候(特に冬)は侮れません。
入場料:PR1あり(金額不明)。
※オンライン購入可能ですが、ツアー会社によると現地支払いでもよいとのことで、現地で払う予定でしたが、PR1は閉鎖中だったからか天候不良のせいか、チケットチェックはありませんでした。
行き方:レンタカー以外だと、タクシーか送迎サービス、ツアーで行くことができます。私は、GetYourGuideの送迎サービス(1174バーツ≒32€)を利用。混載のため、フンシャルで数箇所ピックアップするため、ピコ・ド・アレエイロまで1時間強かかりました。帰りは、PR3のゴール地点「フンシャル・エコロジーマパーク」からホテルまで送迎。
所要時間:①PR1「天国への階段」往復2.5km、所要時間40〜50分 ②PR3片道7.3km、所要時間:約2.5時間
※今回利用した送迎サービスでは、10:00過ぎ〜15:00までの約5時間のハイキング時間がありました。悪天候でも十分間に合いました。
持ち物:レインコートやレインジャケット、サングラス、帽子、日焼け止め、水、スナック類。
このコースのようにスタート地点とゴール地点が異なるコースの場合は、送迎サービスやツアーを利用するのが最も効率がよいと思います。
ちなみにピコ・ド・アレエイロは、サンライズツアーが人気のようです。日の出とともに眼下に広がる雲海を眺められるようです。
Day6 フンシャル → マデイラ空港
最終日は、朝10時過ぎの便でリスボンへ。空港までは、行きと同様に空港バスを利用。朝7:00フンシャル発のバスで空港へ。空港バスは、長距離バスのようにトランクルームがあるバスと、車内にスーツケース置き場あるバスの2種類があるようで、帰りは後者のバスでした。

冬のマデイラ島の日の出は8時頃と遅く、空港に着いてようやく明るくなり始めました。

9時過ぎになるとこの通り。雲ひとつない晴天。まだまだ行きたかったハイキングコースもいくつかあったので、もう少し長めの日程で組めばよかったかなと少し名残惜しかったですが、、、またいつか再訪できることを祈って。

カラフルな宝石のように美しいチョコレート。
マデイラ空港は観光客が多いからからか、小さな島の空港にしてはキレイで立派。お店も充実していて、時間を持て余さずにすみました。
宿泊はフンシャル拠点がおすすめ
今回は初めてのマデイラ島ということもあり、フンシャルを拠点にしました。
島最大の町ということもあり、レストラン、スーパー、ショップ、ツアー会社などが集まっていて、バス路線も充実しているのでレンタカーがなくても便利です。
私が宿泊したのは、フンシャルの中心部からは少し西側のモニュメンタル通り(Estrada Monumental)沿い。長期滞在型ホテルやリゾートホテルが多く、海を見渡せる宿も多いエリアです。
旧市街エリアに比べると見どころは少ないですが、比較的落ち着いた雰囲気で、ゆっくり滞在したい人に向いていると感じました。
レンタカーなし旅のメリット・デメリット
実際にレンタカーなしで滞在して感じたメリットとデメリットをまとめます。
メリット
- 運転の負担がない(市街地は一方通行が多く、狭い山道も多いので運転に慣れていないとしんどそう)
- 送迎サービスを利用すればハイキング後に疲れていても移動が楽
- ツアーを利用すれば効率よく観光できる
- 市街地周辺と主要エリアは路線バスがあるのでルートさえ調べておけば意外と便利
デメリット
- 自由度はレンタカーより低い
- 行きにくい場所もある
- バスは本数が少ないこともある
とはいえ、主要な観光地やハイキングコースはツアーや送迎サービスを利用すれば問題なく訪れることができました。特にハイキングはガイドツアー、送迎サービスも充実しています。
フンシャルを拠点に、ハイキングは送迎ツアー利用、近郊はバスや徒歩、という組み合わせで無理なく観光できます。
レンタカーを運転するのが不安な方や、一人旅の方でも楽しめる旅行先だと思います。


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